黒船 〜旬と粋の美学〜
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最近、事務所の近くの熊野神社横に出来たカステラの専門店「黒船」。
オープン前は、『自由が丘にはこんなにお菓子屋が沢山あるのに。。。いったい誰が買うの?』と不思議に思っていたんですが・・・・。
オープンするや否や、大変な盛況ぶりです。人の姿がたえる事がありません。

何を隠そう、わたしも最近よく買いにいっています。
もうすでに『あ、この前・・・』という方もいらっしゃいますよね(笑)。
このカステラ、実はちょっと変わっているんです。

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ふわっとしてもちもちしている不思議な食感も絶妙ですが、なんと賞味期限がたったの一日だけ。つくられたその日が賞味期限と言う訳です。

いくら保存料が入っていないとは言え、カステラなのでもちろん一日で腐るはずがありません。『つくりたてが一番おいしいから』と言う理由だけで賞味期限を一日に設定しているのです。
日持ちがしない、ということをマイナスイメージにしてむやみに添加物を加えてしまう大量生産、大量販売の手法を考えると、まさにその逆。
たかだか千円そこそこのカステラなのですが限定生産、限定販売、その一日だけが食べごろというその瞬間性がある意味とても贅沢なんですね。

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この題字(ロゴ?)もうまいなぁー。
最初に見た時はかなりインパクトを感じ、慣れてくるとその芳醇さに気づいてくる。書画の書き手は、高齢のふくよかなご夫人かあるいは、強面だが人情味溢れる書家なのかしら・・・と、想像を掻き立てられます。

一応なので、デザインの話にふれておきますと、このような書画は『CONTRAST(コントラスト)』を起用したデザインの最高峰。広いホワイトスペースに真っ黒な文字が配してあるので目立たない訳がありません。
『コントラストの強いデザイン』=とは、すなわち『メッセージすべきことが伝わりやすいデザイン』と、この際、是非覚えておいてください。

それに対して水墨画などの手法にも多用される『タッチ』や『グラデーション』。
これはまさに表現力の横綱と言ったところでしょうか。
豊かさ、神秘性、その他多くのキーワードがこの手法を使って表せることは言うまでもないでしょう。そもそも日本人は、水墨画や書画などに代表される『コントラスト』や『グラデーション』のt巧みな表現者であり鑑賞家なのです。

サバンナにシマウマを描いても、強くメッセージ出来ないことは容易に想像つきますよね。カモフラージュしてしまっているのと同じことなのですから。
残念ですがサバンナにシマウマのごちゃごちゃデザインが見慣れていて、安心・・・というケースも非常に多いです。言いたいことの趣旨の優先順位を決めれずに、並列に配してしまう。片面印刷ならまだしも、両面に文字がびっしりでは実際、読むほうもしんどいのですが「文字は大きいほど読みやすい」「白場(ホワイトスペース)がもったいない」という考えが常識となっている日本では、コントラストを起用したインパクトあるデザインはデザイナーの自分勝手な趣味みたいに取られることも少なくはありません。
(もちろんすべてのクライアントがそうだと言うわけではありません。が、少なくとも私の周りでは、ごくごく日常的に起こっていることだけは確かです。)
こういった、サバンナにシマウマタイプのデザインは見ることに目的がある人にのみ目当ての情報を探し当てることが可能ですが、あまり見る気がない人はどうかと言うと、印象に残りずらくメッセージが伝わりにくいので本来あまりお勧めできるデザインではありません。

ちなみに先日、あるインターネットマーケティングの会社の依頼で金融ベンチャーの企業販促に携わらせていただきました。なかなかいい出来だったので絵をお見せできないのが残念ですが、自身をニューヨーカーを称されるその企業のTOPは、何案かのデザインの中でもっともコントラストの強いデザインを採用されていました。
実際に国際競争の現場で実務を経験されていて、企業販促デザインというものの主旨を非常によく理解されていたと思います。ご自分の会社のサービスにもとても自信を持っておられるのでしょうね。

黒船に話は戻りますが、デザインでコミットメントをしておくと言うのは、長いお付き合いをする前に暫定で価値を定められてしまう、現代社会ではとても重要なことです。これを最初にやっておくと、いろいろなパーツが生きて動いてくれるのです。
プログラムで言えば、最初の宣言文のような感じかもしれません。

おししいカステラにも拍手ですが、パッケージやロゴタイプで『私は自信があって、粋な商売をしています。旬なお味をお愉しみください。』とちゃんと宣言しているのはお見事です。自信が伝わりますよね。繁昌も納得できます。

機会があれば、是非、食べてみてくださいね。喫茶もあるみたいですよ。

黒船 自由が丘店
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by ujipub | 2006-11-27 02:04 | Drink and Foods
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